着物の格の見分け方とは?柄や織り方によっても異なることもあわせてご紹介

公開日:2022年3月7日
最終更新日:2022年3月15日

「着物の格とはどうやって見分けるの?」
「友人の結婚式に着物で参加したいけれど、持っている着物で問題ないのか気になる」
「手持ちの着物の格がよく分からないため、先方に失礼にあたらないか心配」

このように外出着に着物を選んだとき、場所に応じた着物になっているか心配になることも多いのではないでしょうか。

本記事では、浴衣や紬などの普段着から礼装として使う着物まで、着物の格について解説していきます。また、礼装として着る着物の中にも格の差があることや、柄によっても格が変わることも紹介します。

本記事を読むことで、普段着にはどのような着物を選べばよいのか、ちょっとしたお出掛けにはどのような着物が適しているのかが分かるでしょう。さらに、模様の入り方などから着物の格の違いも見分けられるようになります。

着物選びに迷っている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

 

着物の格は分かりづらい

知人の結婚式など着物を着て出掛けたいと思っても、冠婚葬祭に適しているのか分からず、ためらってしまうことも多いでしょう。これは、着物の格が分かりづらいことに理由があります。

着物の種類を大きく分類すると、買い物に出たりコンサートなどちょっとした外出に着たりする街着や普段着と、入学式や結婚式など冠婚葬祭に使う礼装着に分けられます。

 

普段着の着物と種類の見分け方

着物の中で普段着としてカジュアルに着られるのは、浴衣や紬の着物でしょう。特に浴衣は、夏の花火大会の定番としても人気の着物です。

ここからは、普段着の着物の種類と見分け方を紹介します。

 

浴衣

浴衣は、風呂上がりに着ていた歴史があることから「浴」の字が使われています。カジュアルな着物であるため、格としては高くないものとなります。

浴衣と夏の着物との見分けは、足袋の着用や長じゅばんを着ているかどうか、どのような帯と合わせているか、素材に透け感があるかどうかを見るとよいでしょう。

浴衣は長じゅばんを着用しないため、透け感のない素材を使用しています。さらに、袋帯など重厚な帯を合わせることはなく、兵児帯や半幅帯を合わせることが多くあります。

 

浴衣に次いでカジュアルな着物と位置付けられるのが紬です。絹糸にならない屑玉などを紡いで織られ、農民の普段着や仕事着として着用されてきた歴史があります。

紬の着物は、生地にハリがあることや色落ちしにくいこと、傷みにくいことが長所です。また、生産地によっても光沢の有無や厚みに違いが生まれることも紬の特徴といえるでしょう。

紬は、生地を織り上げてから色を付けるのではなく、糸の段階で染色して織り上げます。井桁や格子・縞など、染色した糸の配置を変えることで模様を生み出していきますが、模様を出さないで織り上げる無地の紬も人気です。

 

外出着の着物と種類の見分け方4つ

ちょっとした外出に着物を着て出掛けるのは粋なものですが、格を間違えてしまうと先方に失礼にあたるケースがあるため注意しましょう。

ここからは、外出着として着用できる着物の種類とその見分け方について紹介します。

 

1:紬の訪問着

カジュアルな着物として格付けされる紬ですが、後染めで絵羽模様などの模様付けがされたり、糸染めで織られたりするものは訪問着として着用できます。

紬の訪問着は、パーティーや結婚式の二次会などのセミフォーマルシーンなどに着ていくのがおすすめです。礼装ではないため、フォーマルシーンは避けるとよいでしょう。

 

2:御召

御召(おめし)とは、「御召縮緬」の略で街着や普段着より少し格の高い外出着です。一般的に着物は、先染めの織物より染織物の方が格は高いとされていますが、御召は例外として位置付けられています。

御召の生地は、縮緬のように「しぼ」と呼ばれる細かい縮れがあるのが特徴です。また、一般的な縮緬のしぼよりもはっきりとした縮れが表れるため、独特のシャリ感を持っています。さらに、シワになりにくく、手触り・着心地がよいことも特徴といえるでしょう。

御召の語源は身分の高い人が「お召しになる」という説があり、江戸時代までは武士や貴族が愛用していたといわれています。

 

3:付け下げ

付け下げとは、縫い目を挟んでも着物の柄が続いて見えるように計算して染める「絵羽模様」を簡略化して作られた着物です。

付け下げは反物のまま染めるため、全体に絵羽模様が入るのではなく、独立した柄や模様が身頃や袖に配置されるデザインのものが多くあります。模様が全て上向きになるのも特徴といえるでしょう。

付け下げは、訪問着に次ぐ格を持つ着物です。入学式や卒業式など少しきちんとした場に着用するのがよいでしょう。また、1つ紋を入れたり格の高い帯を締めたりすることで、セミフォーマルな場にも適した着物となります。

 

4:小紋

小紋は、型染によって全体に柄の入った着物で、柄が上向きに配置されている付け下げに対し、柄に上下の向きがないことが特徴です。

柄が大きいものや幾何模様など、カジュアルな印象を与える小紋の着物は、お稽古事や観劇、食事会におすすめです。一方、吉祥文様・王朝文様・古典柄などは、お茶会やカジュアルウェディングのような少しフォーマルなシーンにも着用できます。

 

準礼装の着物と種類の見分け方3つ

着物の格の中では、礼装の次に位置付けられるのが準礼装です。準礼装はセミフォーマルとも呼ばれ、格とともに華やかさも持ち合わせているのが特徴といえるでしょう。

ここからは、準礼装の着物の種類と見分け方を紹介していきます。

 

1:色留袖

色留袖は、裾模様が配置された絵羽模様の着物です。地色が黒以外であることも特徴でしょう。

同じ絵羽模様である訪問着との見分け方は、上半身に柄が入っているかどうかです。肩や胸など上半身に柄が入っていれば訪問着、裾部分だけ絵羽模様になっていれば色留袖となります。

色留袖は準礼装として位置付けられていますが、五つ紋が付けば第一礼装に格が上がります。

 

2:一つ紋が入った色無地

色無地とは、柄のない無地の着物で地色が黒以外のものです。

色無地の着物は、三つ紋や五つ紋を入れて礼装として着用するケースもありますが、一つ紋を入れて格のある帯と合わせ、準礼装とすることが一般的です。

ちなみに、先ほど外出着として紹介した小紋ですが、格のある柄を配した江戸小紋は色無地と同格の扱いとなり、一つ紋を入れることで準礼装着として着用できる着物となります。

 

3:訪問着

訪問着は、縫い目をまたがっても柄が繋がるように染められた絵羽模様の着物です。

先ほど紹介した付け下げは、この訪問着の絵羽模様を簡略化したものです。付け下げは反物の状態で染めるのに対し、訪問着は白生地を裁断してから染めています。そのため、付け下げとの見分け方は、柄の数や着物を広げたときの全体感を見るのがよいでしょう。

また、訪問着と留袖との見分け方は、上半身にも柄が入っているかどうかです。絵羽模様で肩や胸などにも柄が入っている着物が訪問着となります。

 

礼装の種類と着物の見分け方5つ

かしこまったフォーマルな場に適しているのが正礼装です。第一礼装とも呼ばれており、公的な儀式や結婚式などで着用されます。

ここからは、礼装の種類と見分け方を紹介していきます。

 

1:黒留袖

既婚女性の正礼装として着用され、着物の格の中で高い格を持っているのが黒留袖です。

黒留袖は、黒の地色に裾模様を配しており、縁起のよい柄が絵羽模様で描かれます。また、五つ紋を入れることや、黒い生地の裏に白い生地を縫い付けて白い着物を重ね着しているように見せる比翼仕立ても特徴でしょう。

 

2:五つ紋が入った色留袖

黒留袖に次ぐ格を持つのが色留袖であり、地色が黒以外であることの他は、黒留袖と同じ特徴を持っています。さらに、色留袖は五つ紋を入れることで黒留袖と同格の着物となります。

また、黒留袖は既婚女性が着用する着物であるのに対し、色留袖は未婚女性も着られる着物です。そのため、結婚式では新郎新婦に近い親族の女性として参列する着物としても着用されます。

ちなみに、宮中では黒色を避ける習わしがあるため、色留袖を第一礼装としています。皇居に参内する機会があった際には、黒留袖は避け五つ紋が入った色留袖を着用するのがよいでしょう。

 

3:打掛

打掛は、着物の上に羽織る着物で現代では花嫁衣裳として用いられています。内側に着る着物より丈を長くしつらえてあることや、裾の部分に綿を入れて厚みを出した「ふき」を作るのが特徴です。

また、打掛は色によって種類が分かれ、白打掛は「白無垢」、白以外の打掛は「色打掛」と呼ばれます。白無垢は内側の着物から小物に至るまで白で統一した装いである一方、色打掛は刺繍や染めで着物全体に縁起の良い柄や模様を配した華やかな衣装となります。

 

4:喪服

喪服は、地紋を入れない黒い無地の着物で葬儀や告別式などの弔事に着用するものです。地紋が入っていない無地であること、五つ紋を入れることが正装とされています。

また、喪服を着用するときは、下着類・足袋・長じゅばん・半襟は白を使い、帯や帯揚げを含めたその他の小物は全て黒を用います。

 

5:振袖

振袖は、未婚女性の第一礼装として着用される着物で、着物全体に配された絵羽模様と袖が長く作られているのが特徴です。

袖の長さは長いほど格式が高くなります。袖丈が114cm前後の大振袖は、婚礼衣装として着用され、次いで成人式や結納、結婚式の参列で着用される100cm前後の中振袖、卒業式やパーティーなどで着用される85cm前後の小振袖という順です。

 

柄や織り方によっても格が異なる

着物は、一般的に織りより染めの方が格は高いとされていますが、同じ染めや織りの着物でも柄の入り方によって格が変わるものがあります。

例えば、小紋は基本的には外出着と格付けられていますが、柄が小さくなるほど格は高くなるのが特徴です。

特に、遠くから見ると無地の着物に見えるほど細かい柄の江戸小紋は、通常の小紋より格が高くなり、柄を定め小紋とすることでさらに格が上がります。さらに、一つ紋を加えることで色無地と同格になり、準礼装の場にも適した着物となるということです。

また、御召の着物も模様によって格が決まります。

例えば、無地に紋を入れることで礼装となり、地紋や細かい模様が入っていればセミフォーマル、さらに絣模様などパターン化した柄であれば普段着や外出着として着用します。

 

用途に合わせて着物を着よう!

ここまで、着物の格の違いや見分け方、着用シーンについて紹介してきました。

結婚式やお茶会など少しフォーマルな場には訪問着や色無地などの準礼装を、観劇やカジュアルなパーティーには外出着を、気軽なショッピングやお稽古事には街着や普段着を選ぶのがおすすめです。

着物の格を知り、用途に合わせた着こなしを楽しみましょう。

 

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