「寛永通宝って、今はどのくらいの価値があるの?」
「そもそも寛永通宝って何?」
「少しでも高値で買取してもらうには、どうしたら良いの?」
このように、寛永通宝をお持ちの方の中には、様々な疑問があるのではないでしょうか。
本記事では、寛永通宝とは何か、古寛永と新寛永の違いについてと買取相場、古銭買取で価値が高い種類、寛永通宝以外の穴銭の価値、新寛永通宝を買取に出す時のポイントを紹介しています。
この記事を読むことで、寛永通宝についての基礎知識や価値が高い寛永通宝の種類、少しでも高値で買取してもらうコツが分かります。その知識をもとに適切な買取業者を選択できるため、より納得のいく取引ができるでしょう。
寛永通宝をお持ちの方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
寛永通宝とはそもそも何か?
寛永通宝は江戸時代に佐藤新助によって作られ、幕末まで広く流通しました。その非常に長い流通期間から、種類は数百種類に及びます。
様々な銭貨の中でも真ん中に穴が開いている「穴銭」に分類されており、当時の製造技術では丸い穴ではなく四角い穴の方が簡単に製造できたという理由から、四角い穴が開いているのが特徴です。
出典:Vol.15 江戸時代のお金―寛永通宝―|草津宿街道交流館
古寛永と新寛永の違いについて
古寛永と新寛永の違いは、発行された年にあります。1668年、裏面に「文」の文字が刻印された文銭が発行される以前の寛永通宝を「古寛永」と呼び、1668年以降に発行されたものを「新寛永」と呼びます。
古寛永の特徴として挙げられるのが、江戸の芝や浅草など鋳造された銭座の違いによって、よく見ると「寛永通宝」の文字の書体が異なるという点です。
新寛永は1文として通用する貨幣のほかに、裏面に波形模様のある4文として通用する貨幣も存在し、同じ4文銭でも波型文様が11波のものと21波のものとがあります。
出典:Vol.15 江戸時代のお金―寛永通宝―|草津宿街道交流館
寛永通宝の買取相場とは
寛永通宝の買取相場は、一般的なものであれば50円~100円程度です。これには、長年にわたり発行されたことによる流通量の多さが大きく関係しており、希少性が低いことが理由の1つです。
しかし中には珍しいタイプの寛永通宝も存在しており、そのようなものはプレミア価値が付くため、1万円程度の相場も期待できます。希少性の高さがポイントとなることを覚えておくと良いでしょう。
「寛永通宝」の高価買取!貴重な種類16選をご紹介
寛永通宝は種類が多く、総数は数百種類にも及びます。種類によって買取相場が異なるため、中でも特に価値が高いものを把握しておくと良いでしょう。
ここからは、古銭買取で価値が高い寛永通宝の種類16選を紹介していきます。
1:二水永
二水永は、1626年に発行された寛永通宝です。表面に刻印された寛永通宝という文字の「永」が「二」と「水」を組み合わせたように見えることから、二水永と呼ばれています。
寛永通宝の生みの親である佐藤新助が江戸幕府と水戸藩の許可を得て鋳造し、裏面の下部に刻印された「三」の文字は、鋳造年である寛永三年を意味しています。
2:正字背文
正字背文は、1688年に発行された寛永通宝です。本来は文字が刻まれていない裏面に「文」の文字が刻印されている点が、大きな特徴として挙げられます。
刻印された文字の書体には様々な種類があり、書体の差によっては高い価値が付くため、価値を見極めるためには自身で判断せず、しっかりと査定してもらうことが大切です。
3:石ノ巻銭
石ノ巻銭は、1728年に発行された寛永通宝です。陸奥国牡鹿郡、現在の宮城県石ノ巻で鋳造され、裏面に「仙」という文字が刻印されています。
この石ノ巻銭も前述の正字背文と同様、書体の種類が多く、刻印された文字の書体によって買取相場に大きな差が生じるため、買取を検討の際はしっかりと査定してもらうことが大切です。
4:下野国足尾銭
下野国足尾銭は、1741年に発行された寛永通宝です。足尾銅山から産出される銅が減少してしまった時に鋳造され、裏面に足尾銅山の「足」という文字が刻印されていることから「足字銭」とも呼ばれています。
貨幣の大きさにバラつきがある点が特徴として挙げられ、サイズが大きいものほど価値が高くなる傾向にあります。
5:小梅銭
小梅銭は、1737年に発行された寛永通宝です。江戸の本所である小梅村、現在スカイツリーが建つ場所の近辺で鋳造され、裏面に小梅村の「小」という文字が刻印されています。
元文4年以前に鋳造された小梅銭は、それ以降に鋳造されたものに比べ中央の穴が狭く作られており、「狭穿」とされています。
寛永通宝の中でも小梅銭の書体は種類が豊富とされており、書体の差によって価値も大きく異なるため、正確な価値を見極めるためには査定してもらうと良いでしょう。
6:島屋文
島屋文は、1688年に発行された寛永通宝です。裏面に「文」という文字が刻印されており、後に紹介する文銭と似たような見た目であるため、見分けが難しいとされています。
しかし、島屋文は表面に刻印された寛永通宝の「通」という文字の右上部分がカタカナの「ユ」のようになっているため、見分ける場合はこの特徴を踏まえると良いでしょう。
7:水戸銭
水戸銭は、1637年に発行された寛永通宝です。寛永14年に常陸水戸に設置された銭座で鋳造されたことから、水戸銭という名称が付けられました。
この水戸銭も流通量の多さから希少性はそれほど高くないものの、種類が非常に多いため、中には高い価値が付くものも存在します。全体の価値が低いとはいえ、一度査定してもらうことがおすすめです。
8:松本銭
松本銭は、1637年に発行された寛永通宝です。信濃の松本で鋳造されたことから、松本銭という名称が付けられました。
他の寛永通宝に比べ鋳造された数が少なく、現存数も少ないため、希少性が高い点が特徴として挙げられます。その珍しさは博物館に展示されるほどであるものの、偽物やレプリカが大量に出回っているという背景もあるので注意が必要です。
9:浅草銭
浅草銭は、1636年に発行された寛永通宝です。寛永13年に浅草に銭座が設置されてから鋳造されはじめたことから、浅草銭という名称が付けられました。
御蔵銭(おくらせん)とも呼ばれており、さらには1枚ごとに異なると言われる書体の多様さから、「志津磨百手」とも呼ばれるほどです。3つの呼び名があるものの、どれも同じ浅草銭に該当します。
10:芝銭
芝銭は、1636年に発行された寛永通宝です。寛永13年に江戸幕府によって設置された銭座で、最初に鋳造されました。
全体の価値としてはそれほど高くないものの、鋳型を作るために利用された母銭であれば、希少性の高さから価値は跳ね上がるものとされています。価値の高さは母銭であるかがポイントとなるため、しっかり査定してもらうことが大切です。
11:日光御用銭
日光御用銭は、1714年に発行された寛永通宝です。徳川家が日光参拝の際に鋳造されたとされており、「正徳御用銭」とも呼ばれます。
特徴として挙げられるのが、表面に刻印された「寶」という文字の一部「尓」の部分にハネが無く、真っ直ぐであるという点です。残存数が少ないことや、他の寛永通宝に比べ綺麗な状態であることから、価値が高い傾向にあります。
12:文銭
文銭は、1688年に発行された寛永通宝です。裏面に文銭の「文」という文字が刻印されており、その文字をとって文銭と呼ばれています。
文銭も他の寛永通宝と同様にそれほど高値は付かないものの、文字の書体により珍しいタイプのものであれば数十万円の価値が期待でき、寛永通宝の中でも価値が高い貨幣です。
13:背広佐
背広佐は、1717年に発行された寛永通宝です。佐渡銭の一種として佐渡で鋳造され、通常の佐渡銭とは異なり、裏面に刻印された「佐」の文字の「左」の部分である2画目が大きく書かれている点が特徴として挙げられます。
希少性の高さから、寛永通宝の中でも比較的高値での買取が期待できる貨幣です。
14:正字入文
正字入文は、1668年に発行された寛永通宝です。表面に刻印された文字は均整が取れているものの、裏面に刻印された「文」の文字の下半分「乂」の部分が「入」のような見た目になっている点が特徴として挙げられます。
寛永通宝の中でも希少性の高い貨幣の1つであるため、比較的高値での買取が期待できます。
15:耳白銭
耳白銭は、1714年に発行された寛永通宝です。耳と呼ばれる貨幣の縁の部分が広く作られており、江戸弁では「広い」を「シロイ」と発音したために耳白銭と名付けられました。
また、表面に刻印された「寶」の文字の「貝」部分が「耳」と「白」のようになっている点も、特徴として挙げられます。この耳白銭も、寛永通宝の中では比較的価値の高い貨幣です。
16:退点文
退点文は、1668年に発行された寛永通宝です。文銭の一種として鋳造され、裏面に刻印された「文」の上部の点が、右側へ寄っている点が特徴として挙げられます。
プレミア的な価値は無いものの、この退点文も寛永通宝の中では希少性の高い貨幣の1つです。
寛永通宝以外の穴銭の価値は?
寛永通宝以外の穴銭の価値は、種類によって異なります。寛永通宝は穴銭の中でも代表的な存在ですが、他にも穴銭に分類される貨幣として「天保通宝」「大世通宝」「世高通宝」の3つが挙げられます。
天保通宝は寛永通宝に並び知名度の高い貨幣で、発行数や流通量が多かったため、希少価値はそれほど高くありません。
大世通宝や世高通宝は、ともに現在の沖縄で発行された穴銭です。大世通宝は沖縄以外で使用されることがほとんど無かったため、希少価値の高い穴銭の1つとされています。
世高通宝は流通量が多く、加えて現存のものの多くは状態が良くないため、希少価値は低い傾向にあります。しかし貨幣によってコンディションが良いものであれば、価値が高くなることが期待できる穴銭です。
新寛永通宝を買取に出す時の5つのポイント
寛永通宝は、種類が多く全体の希少価値はそう高くないものの、刻印された文字の書体などによっては高値での買取が期待できます。そのため、まずは査定して価値を見定めてもらうと良いでしょう。
ここからは、新寛永通宝を買取に出す時の5つのポイントを解説していきます。
- 付属品と一緒に買取してもらう
- 早めに鑑定してもらう
- 買取に出す時に洗浄・磨く等をしない
- 複数の業者で鑑定してもらう
- 出張買取も視野に入れる
1:付属品と一緒に買取してもらう
新寛永通宝を買取に出す時は、付属品と一緒に買取してもらいましょう。付属品と一緒に買取してもらうことで、付属品が無い貨幣に比べ、高く買い取ってもらえる可能性があります。
例えば貨幣が入っていた箱や袋など、当時のものであれば一緒に持って行き査定してもらうことがおすすめです。
2:早めに鑑定してもらう
新寛永通宝を買取に出す時は、早めに鑑定してもらいましょう。貨幣は時間の経過とともに劣化していきます。劣化により価値が下がってしまう可能性もあるため、なるべく早く鑑定してもらうことが大切です。
まだ買取に出す予定が無い場合は、傷や劣化を防ぐために市販の専用ケースに入れて保管しておくと良いでしょう。
3:買取に出す時に洗浄・磨く等をしない
新寛永通宝を買取に出す時は、洗浄・磨く等をしないようにしましょう。貨幣は買取に出す際、少しでも状態が良い方が高価買取してもらえる傾向にあります。しかし、古銭の価値が高いとされているのは、発行された当時の状態です。
自身で洗浄したり磨いた際、傷が付いてしまったり錆が発生してしまうと価値が下がってしまうこともあります。自己判断で手を加えず、そのままの状態で買取に出すことが大切です。
4:複数の業者で鑑定してもらう
新寛永通宝を買取に出す時は、複数の業者で鑑定してもらいましょう。寛永通宝は、全体的な相場はある程度決まっているものの、細かな買取金額は店舗によって変動します。
例えば、相場通りで買い取る店舗もあれば、競合店より高値で買い取ると言う店舗もあるでしょう。鑑定は基本的に無料であるため、複数の業者に鑑定してもらい納得のいく条件で買取してもらえるよう比較検討することがおすすめです。
5:出張買取も視野に入れる
新寛永通宝を買取に出す時は、出張買取も視野に入れましょう。出張買取であれば持ち運びや梱包の手間もかからず、査定から買取まで全て自宅で済ませられます。大切な貨幣を持ち運ぶ際、不安を感じずに済むでしょう。
また、長年にわたり大量の貨幣を集めている場合は持ち込みも容易ではないため、運び出す手間もかからずに済みます。査定料などの手数料を無料にしている業者も多いため、気軽に利用してみると良いでしょう。
▶お問い合わせはこちら
▶古銭の買取実績を今すぐ確認!
寛永通宝の価値を知っておこう
本記事では、古銭買取で価値が高い寛永通宝の種類16選や、買取に出す時のポイントなどを紹介しました。
寛永通宝は全体的な価値はそう高くはないものの、希少な特徴を持つ貨幣はプレミア価値が付くことも期待できるため、専門の業者に価値を見極めてもらうことが大切です。
寛永通宝をお持ちの方は、この記事で紹介した寛永通宝の価値を参考に一度査定を依頼してみてはいかがでしょうか。
グッドディールでは古銭など、価値のあるものを適性な価値判断のもと、査定・お買取りさせていただきます。古銭の価値を知りたい、コレクションを売却したい方はぜひグッドディールへ!