普段使い慣れている硬貨や紙幣のなかには、額面以上の価値が認められるものもあります。どのような100円玉の価値が高いとされているかご存知でしょうか。本記事では、100円よりも高く評価されている100円玉の特徴を紹介し、解説しています。
普段使っている100円玉とは別に、記念硬貨として発行されている100円玉についてもあわせてご紹介します。誤って記念硬貨を普通の100円玉として使わないように、特徴を覚えておきましょう。
額面よりも高く評価される価値のある年号については、100円玉だけでなくほかの硬貨についても紹介していきますので、覚えておきましょう。高く評価される硬貨の特徴を知ることで、硬貨を手にしたときに価値を確認する楽しみも生まれます。
100円玉の価値のある年号とは?
評価が高くなる「価値のある年号」というのは硬貨の種類によって異なります。発行枚数が少なかった年の硬貨にはプレミアムがつくことが多いものの、買い取り業者によっても差があるでしょう。
100円玉にとって価値のある年号は、昭和39年と平成13年とされており、平成13年は新500円玉を発行するために100円玉の製造が抑えられていたため、特に発行枚数が少なくなっています。
昭和41年以前の100円玉には60%の銀が含まれているため、地金としての価値もあるでしょう。
出典:100円銀貨幣|日本銀行
100円玉の価値が高くなる4つの特徴
ここでは、高く評価される100円玉に見られる特徴を4つ紹介します。
100円玉の価値を高めてくれる特徴を知っていれば、価値のある100円玉を見つけやすくなるため、100円玉を手にするのが楽しくなるでしょう。
- 希少価値が高い
- 貴重な素材である
- 記念で作られたもの
- 歴史的な価値がある
1:希少価値が高い
硬貨が額面より高く評価される1番の理由は、希少価値です。人が持っていないもの、手に入れにくいものを欲しがるのがコレクターの心理でしょう。
希少性の高さは、枚数の少なさとも直結します。発行枚数が少ない年は「価値のある年号」として額面よりも高めに評価される100円玉となります。
本来流通するはずのない、印刷がずれていたり欠損があったりするエラーコインは、さらに枚数が少ないため高く評価されるでしょう。
2:貴重な素材である
硬貨は作られた時期によって使われている素材が異なることもあります。
昭和32年から昭和41年にかけて作られた100円玉は、銀が60%含まれています。銀の地金としての価値も認められるため、この期間以外の100円玉よりも高く評価されるでしょう。
3:記念で作られたもの
オリンピックや皇室の行事にあわせて記念硬貨が発行されることもあります。記念硬貨は、流通しているものではなく、販売されたそのときしか手に入らないため、プレミアがつくこともあります。
記念硬貨すべてが高い価値で扱われるわけではありませんが、人気が高かったり、希少性が高かったりするものは高額で取引されるでしょう。1964年の東京オリンピック記念硬貨は枚数も少ないので比較的高額だとされています。
4:歴史的な価値がある
貨幣価値が額面よりも高くなる理由のひとつに、歴史的な価値が認められる場合が挙げられます。また、古銭などの硬貨や紙幣は芸術品としての価値が高い場合があるため、覚えておきましょう。
これまでに発行された100円玉の6つの種類
100円玉は、昭和32年に初めて発行されて以来、6種類のタイプが発行されています。価値のある年号にこだわる前に、まず6種類の100円玉をコレクションしてみてはいかがでしょうか。
ここでは、発行されている6種類の100円玉をご紹介します。
- 100円白銅貨について
- 東京オリンピック記念100円銀貨について
- 日本万国博覧会記念100円白銅貨について
- 天皇陛下御在位50年記念100円白銅貨について
- 100円銀貨(稲穂)について
- 100円銀貨(鳳凰)について
1:100円白銅貨について
100円白銅貨は、現行の100円玉で昭和42年に登場以来、デザインも素材も変わっていない、おなじみの硬貨です。
白銅貨に変わる前の旧100円玉には銀が含まれていましたが、この硬貨からは白銅に変わり、呼び名も「銀貨」から「硬貨(もしくは白銅貨)」に変わっています。表面のデザインには桜が使われています。
2:東京オリンピック記念100円銀貨について
東京オリンピック記念100円銀貨は、その名の通り1964年のオリンピックを記念して発行され「銀」が素材として使われています。
東京オリンピック記念100円銀貨の発行枚数は8,000万枚で、少なくはありませんが人気の高い記念硬貨です。表面には聖火と五輪がデザインされており、裏面には太陽と額面の「100」に加え、「TOKYO 1964」が刻印されています。
出典:記念貨幣一覧|造幣局
3:日本万国博覧会記念100円白銅貨について
日本万国博覧会記念100円白銅貨は、1970年に大阪で開催された万国博覧会を記念して発行された硬貨です。表面には葛飾北斎の「赤富士」がデザインされており、裏面は地球を背景に万国博覧会のシンボルマークをデザインしています。
発行枚数は、4,000万枚なので100円玉の記念硬貨としては少なめです。
4:天皇陛下御在位50年記念100円白銅貨について
天皇陛下御在位50年記念100円白銅貨は、昭和51年に昭和天皇の即位50年を記念して発行されました。表面には二重橋と皇居、裏面には菊の御紋章と鳳凰がデザインされています。
天皇陛下御在位50年記念100円白銅貨は、7,000万枚発行されているため、コレクター以外の人でも所持している可能性の高い記念硬貨です。
5:100円銀貨(稲穂)について
100円銀貨(稲穂)と呼ばれる硬貨は、昭和34年から41年まで発行されていた、素材に銀を含む銀貨です。表面に稲穂をデザインしているため「稲穂」と呼ばれています。
100円銀貨としては、長い期間発行されていましたが、昭和39年の発行枚数が少ないことから、昭和39年は価値ある年号とされています。素材に銀を含んでいるため、昭和42年以降の100円白銅貨よりも高く評価されるでしょう。
6:100円銀貨(鳳凰)について
100円銀貨(鳳凰)と呼ばれる硬貨は、100円玉が登場した昭和32年から昭和33年までの短い間だけ発行されていました。表面は桜の花がデザインされており、裏面には鳳凰が描かれていることから100円銀貨(鳳凰)と称されます。
昭和32年に3,000万枚が、昭和33年に7,000万枚が発行されただけなので、希少性の高い100円玉です。
価値のある年号の100円玉以外の硬貨5種類
100円玉にとって価値のある年号が、そのままほかの額面の硬貨でも価値があるかというと、そういうわけではありません。
硬貨の製造数は、年と硬貨の種類によってバラつきがあります。ある額面の硬貨があまり発行されなかった年でも、別の額面の硬貨が大量に発行されていることもあるでしょう。
ここでは、100円玉以外の硬貨について、それぞれの硬貨にとって価値のある年号をご紹介します。
- 500円玉
- 50円玉
- 10円玉
- 5円玉
- 1円玉
1:500円玉
500円玉は昭和57年に初めて発行された、現行硬貨のなかでは一番新しい硬貨です。平成11年までは白銅貨幣で、平成12年以降はニッケル黄銅貨幣です。
500円玉は新しい硬貨であり、額面も大きいことから、プレミアムがつきにくい硬貨とされています。そのようななかで、昭和62年と昭和64年の500円玉は製造数が少ないため、プレミアムがついています。
2:50円玉
50円玉は価値のある年号が多い硬貨です。50円玉は製造数を制限した年が多く、発行数が少ない年号がそのまま価値のある年号となっています。
手元に昭和62年製造の50円玉がないかチェックしてみましょう。製造数がさらに少ない平成22年以降の年号よりも高値がついています。また、平成22年から平成25年も極端に製造数が少ないため、高値がつくでしょう。
3:10円玉
額面以上の価値を期待できる10円玉というと「ギザ10」が有名ですが、ギザ10すべてに付加価値がつくわけではありません。昭和32年、33年の製造数が少ないことから、価値が高くなっています。
ギザ10とは別に、昭和61年も10円玉にとって価値のある年号です。ただし、昭和61年の「後期」製造分に限定されており、前期との判別はデザインされている平等院鳳凰堂の細かな違いから判別しなければなりません。
4:5円玉
5円玉は、平成22年から平成25年まで極端に製造数が絞られています。平成22年から平成25年にかけて発行された5円玉を持っていれば、額面以上の金額で取引されることもあります。
昭和23年と昭和24年に発行された5円玉には穴が開いていないため、プレミアムがついています。5円玉にとっては昭和23年と24年も価値のある年号といえるでしょう。
5:1円玉
1円玉にとって価値のある年号は、平成23年から平成25年、平成28年から平成31年、令和元年で、いずれも製造数が極端に少ない年です。
キャッシュレス化の加速化によって、釣銭として必要になる1円玉の用途が減ったため減産されたことが原因でしょう。
価値ある年号の硬貨を保管する際のポイント3つ
ご自分の手元に価値のある年号に発行された硬貨があることを発見したら、どのように保管しておけば価値を下げることなく持ち続けられるでしょうか。
ここでは、価値のある貨幣を保管するときに知っておきたいポイントを3つ解説します。ポイントを押さえて、適切な方法で保存できるようにしておきましょう。
- できるだけ洗わないようにする
- 湿気と通気性に気をつける
- コイン専用の保管ケースを利用する
1:できるだけ洗わないようにする
硬貨は水分を含んだまま保管すると、劣化を招くことになります。手の指紋に含まれる程度の水分でも劣化を助長させるため、汚れているからといって安易に水洗いすることは避けましょう。
酸や重曹を使って洗浄する方法もありますが、洗浄時に硬貨を劣化させて価値を下げてしまう危険性もあります。自分の判断で洗浄せずに、専門家の助言を得た上で洗うようにしましょう。
2:湿気と通気性に気をつける
紙幣には湿気が大敵ですが、硬貨にとっても湿気は劣化の原因になります。価値の高い硬貨を扱う専門家は、指紋に付着している水分でも硬貨が劣化する引き金になりかねないため、価値のある硬貨を扱うときには手袋を使っています。
湿気を避けるため、風通しの良い、からっとした場所を選んで保管しましょう。
3:コイン専用の保管ケースを利用する
硬貨には銅が使われていることも多いものの、銅はとても酸化しやすい金属です。銅を使っていない硬貨についても、金属を素材に用いている以上、多少の酸化は免れません。
硬貨の酸化をできるだけ防ぐためには、硬貨が空気に触れることを避けましょう。コイン専用ホルダーやコイン用アルバムを使えば、硬貨に適した環境で保存できます。密閉袋でも空気を避けられますが、なるべく早めに保管専用のケースに保存しましょう。
100円玉の価値のある年号を知ろう
いつも100円の価値がある硬貨として使っている100円玉も、発行された年号によっては、100円よりも高い価値を持っていることもあります。
価値のある年号を覚えておき、100円玉を受け取るたびに確認してみましょう。100円より高い価値のある100円玉に出会える可能性もあり、100円玉を受け取る喜びも感じられます。
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