「この1円札にはどれくらいの価値があるのだろう。」
「買取に出すとしたら相場の買取価格はどれくらいかしら?」
家に1円札があってどうすれば良いのか困っている方もいるのではないでしょうか。1円札は明治時代から昭和前期まで流通していたもので、家にあるという人もいるでしょう。
現在では作られることも使われることもなくなった1円札ですが、過去には様々な種類のものが発行されており、1円札は古銭蒐集家が集めることで、コレクションする価値があるものとして取引されています。
本記事では、1円札の種類と買取相場、高値で売却するコツを紹介しています。この記事を読むことで1円札についての知識を得ることができます。希少な1円札には非常に高額な査定価格が提示されることもあるため、チェックしてみてはいかがでしょうか。
1円札の査定や買取には、古銭の買取実績がある買取専門業者に出すのがおすすめです。
この記事を読んで、1円札の価値を知ってみましょう。
1円札ってどんな紙幣?
最初の1円札は明治18年に発行された「旧壱円券」と呼ばれるもので、大黒天が描かれています。1円札はデザインや素材を変えながら、いくつもの種類が発行されていました。
1円札の発行が停止されたのは昭和33年ですが、発行が停止された今でも一部の1円札は1円として使用できると言われています。
価値のある1円札の特徴
数ある1円札の種類の中でも、特に価値があるとされている1円札があります。
価値のある1円札の特徴とはどのようなものでしょうか。ここでは、3つの特徴を紹介します。持っている1円札に当てはまるか、確認してみましょう。
- エラープリントがある
- 大日本帝国通用壹圓紙幣である
- 珍しい番号である
1:エラープリントがある
エラープリントの内容は、「印刷ミス」「印字ずれ」「記号違い」「福耳付き」に分類されます。
文字や絵柄が反対の面に印刷されているもの、正常な位置に印字されなかったもの、あるいは表と裏の記号が一致しないものは一般的に高値が付く傾向があります。
「福耳付き」と呼ばれる紙幣は、紙幣製造の際に正確に裁断されず、切れ端が付いたままの状態のものです。
エラープリントの中でも「福耳付き」の1円札は特に価値があるものと言われています。
2:大日本帝国通用壹圓紙幣である
大日本帝国通用壹圓紙幣は、明治時代に発行された紙幣に存在するもので、旧国立銀行券とも呼ばれています。
大日本帝国通用壹圓紙幣は全体的に発行自体が少なく、中でも1円札は非常に高額で取引されるほど希少であると言われています。
3:珍しい番号である
珍しい番号とは、同じ数字が続く「ゾロ目」や、100000や200000などの「キリの良い番号」、122221や211112など「サンドイッチ状の番号」、123456などの「階段状の番号」などです。
また、A-A券やZ-Z券と呼ばれる「数字の前後を同じアルファベットが挟んでいるもの」も珍しい番号として高値で取引される傾向があります。
中でも、1番紙幣と呼ばれる「000001」が印字されたものは特に珍しく、非常に高い価値があるとされています。
1円札の主な種類と買取価格の相場
明治から昭和にかけて発行・通用していた1円札は、様々な種類のものがあります。発行機関や発行枚数も一貫しておらず、その価値はまちまちです。
ここでは、1円札の主な種類と相場の買取価格を紹介します。1円札を持っている人は確認してみましょう。
1:大日本帝国通用壹圓紙幣
明治初期に旧国立銀行から発行された1円札です。
発行枚数が非常に少なく、1円札も高値で取引されると言われています。状態が良くないものでも数万円、美品であれば数十万円の価値があるとされています。
2:神功皇后1円札
明治時代に発行、廃止された1円札です。神功皇后の肖像が印字された紙幣で、日本で最初に肖像が入った紙幣と言われています。
イタリア人の版画家エドアルド・キヨッソーネがデザインを手がけましたが、印刷はドイツの印刷会社に発注していました。そのため「ゲルマン紙幣」とも呼ばれています。
流通期間が短かったため高値で取引される傾向にあり、一般的な買取相場は約1万円、状態の良いものだと数万円の価値が付くとされています。
3:明治通宝
明治通宝は、神功皇后1円札と同じくドイツの印刷会社に印刷を発注していたため、「ゲルマン紙幣」と呼ばれています。明治通宝は、数種類の額面が発行されていました。
希少価値はそれほど高いものとされず、一般的な明治通宝1円札であれば約1千円から2千円程度、状態の良いものでも1万円までで取引されています。
4:中央武内1円札
中央武内1円札は昭和初期に発行された改造不換紙幣の1円札です。
見た目は後で紹介する「い壱円券」に非常によく似ていますが、中央武内1円札には通し番号が付けられずに省略されているという違いがあります。
組番号によって前期、後期に分けられ、買取価格は後期の方が少し高めの傾向になっています。前期・後期ともに、一般的なもので数十円から数百円、状態の良いものでも数百円から1千円までになるでしょう。
5:水兵1円札
水兵1円札は、ヨーロッパの新しい印刷技術を取り入れて製造された近代紙幣と言われており、新国立銀行券として発行されました。
表の右側に水兵の絵柄があるため、水兵1円札と呼ばれています。水兵1円札は貴重なものであるため、一般的なもので数万円、状態の良いものだと数十万円で取引されていると言われています。
6:い壱円券
い壱円券は、武内宿禰が中央に描かれており、中央武内1円札に非常によく似ていますが、い壱円券には通し番号が付いているという違いがあります。
昭和18年に発行されたい壱円券は、第二次世界大戦の影響で紙幣製造のための材料や人員が揃えられず、紙質が悪いことが特徴と言われています。
一般的な買取相場は数十円から数百円、状態の良いものだと数百円から数千円です。
7:A壱円券
A壱円券は、昭和21年に発行された1円札で、二宮尊徳が表に描かれています。そのため、「二宮尊徳1円札」とも呼ばれています。
A壱円券は民間の複数の企業が印刷しており、紙幣にすかしが入っていないことが特徴です。
発行された時代がそれほど古くないことから、数十円という比較的安価で取引される傾向にあると言われています。しかし、A壱円券に印字されている印刷所の番号によっては1千円ほどの価値があるとされています。
出典:お札の基本情報~過去に発行されたお札~|独立行政法人 国立印刷局
8:旧壱円券
旧壱円券は、明治18年に発行された1円札で、表に大黒天が描かれたものです。
偽造防止のためにすかしの技術が使われていたり、日本語と英語が併記されていたりと、古い1円札でありながら当時の最新の技術が使われていたとされています。
一方で、紙の強度を上げるためにコンニャク粉を紙幣に混ぜたおかげでネズミや虫に食べられてしまうという被害も出たと言われています。
旧壱円券の価値は他の1円札に比べて高めで一般的な買取相場は数千円から1〜2万円、状態の良いものだと数万円です。
9:改造壱円券
記番号が漢字の改造壱円券は、明治22年に発行された1円札で、中央に武内宿禰が描かれたものです。
明治18年に発行された旧壱円券がコンニャク粉を混ぜたことで食害を引き起こしたことから、紙を改良し新たに発行されたのが改造壱円券だと言われています。
最初の改造壱円券は番号が漢数字で表記されていたため、「漢数字1円札」とも呼ばれていますが、大正時代に入ってから発行されたものは番号がアラビア数字で表記されているため、「アラビア数字1円札」と呼ばれるようになりました。
改造壱円券の一般的な買取相場は、数字の表記の違いなども相まって数百円から数万円と開きがあると言われています。
出典:お札の基本情報~過去に発行されたお札~|独立行政法人 国立印刷局
1円札って今でも使えるの?
すでに発行が停止されている古い1円札でも、一部のものは今でも使えます。今でも1円の価値として使用可能なものは、「旧壱円券」「改造壱円券」「い壱円券」「A壱円券」です。
古銭としては比較的安価に買取されるものであっても、相場の買取価格は額面の何十倍、何百倍になります。1円として使ってしまうよりも、古銭買取業者へ買取に出した方がお得でしょう。
なお、銀行では無料で旧札を現行の通貨に交換してもらえますが、1円札は額面通りに1円玉と交換されます。
1円札を高値で売却するコツ
1円札の種類や状態による買取相場を紹介しました。
それでは、手持ちの1円札をできるだけ高値で売るにはどうすれば良いのでしょうか。ここでは、1円札を高値で売却するコツを4つ紹介します。
- 古銭専門の買取業者に依頼する
- 売却を決めたらなるべく早く売る
- 鑑定書やケースとセットで売る
- 自分で綺麗にしない
1:古銭専門の買取業者に依頼する
1円札の売却をする時には、インターネットオークションやリサイクルショップよりも、古銭専門の買取業者に依頼すると良いでしょう。
古銭専門の買取業者は古銭に詳しい査定士が鑑定をするため、1円札の価値をしっかりと見てもらえます。
2:売却を決めたらなるべく早く売る
1円札などの古い紙幣は、時間の経過に伴って劣化すると言われています。紙幣の劣化は、買取価格の下落につながってしまいます。
1円札を売ることを決めたら、できるだけ早く買取してもらいましょう。
3:鑑定書やケースとセットで売る
コレクションとして1円札を所有していたのであれば、鑑定書やケースが付いていることがあります。もし1円札がケースに入っていたり、鑑定書が付いていたりするのであれば、一緒に売却するようにしましょう。
鑑定書やケースの有無は査定の大きなポイントになると言われています。
4:自分で綺麗にしない
1円札は、自分で綺麗にすることは避けましょう。綺麗にする段階で傷を付けてしまったり、破いてしまったりする恐れがあります。
また、古いお金の風合いがなくなってしまうことから、綺麗にすることが査定にマイナスの影響を与える可能性もあります。そのため、1円札は何もせずに買取に出すようにしましょう。
1円札の価値について知ろう
過去に発行されていた1円札について紹介しました。
1円札は歴史が古く、海外に印刷を発注していたり、紙の素材にコンニャク粉を混ぜていたりと面白い話もたくさんあります。
いまだに通用する1円札もありますが、通貨として使用すると1円の価値のみになると言われています。しかし、買取業者に売却すると、額面の何倍もの値段が付く可能性もあるでしょう。
1円札の価値について知った上で、手元にある場合は買取を検討してみてはいかがでしょうか。
グッドディールでは古銭や旧紙幣など、価値のあるものを適性な価値判断のもと、査定・お買取りさせていただきます。古銭や旧紙幣の価値を知りたい、コレクションを売却したい方はぜひグッドディールへ!