夏の暑い時期、薄物の着物は見た目も涼やかで季節を感じさせる装いとして多くの方に親しまれています。しかし通気性の良い素材だからこそ、汗や湿気の影響を受けやすく、適切なお手入れをしないと大切な着物が傷んでしまうことも。長くきれいな状態を保つためには、夏ならではの注意点やお手入れ方法を知っておくことが大切です。
1. 夏の着物は特にお手入れが重要
夏の着物には、絽(ろ)や紗(しゃ)、麻など、通気性に優れた素材が多く使われています。薄く軽やかな生地で涼しさを感じられる反面、汗や皮脂、湿気を吸いやすいため、適切なお手入れをしないとシミや変色、カビの原因になることも。
気温と湿度が高い夏場は特に汚れがつきやすく、保管方法にも工夫が必要です。着物を長く大切に着続けるためには、着用後の早めのケアと保管環境の見直しが欠かせません。
2. 着用後はすぐに陰干しで湿気を飛ばす
夏の着物は一度着るだけでも多くの汗や湿気を含んでいます。放置すると黄ばみやにおいが発生し、虫食いの原因にもなります。着用後はすぐに風通しの良い場所で陰干しを行い、湿気をしっかり飛ばしましょう。
陰干しのポイント
干すタイミング
着用後できるだけ早く行うことが重要です。
干し方
直射日光は避け、窓際の風通しの良い場所や日陰を選びます。
着物ハンガーにかけ、袖や裾を広げて空気が通るようにします。
時間の目安
1〜2時間程度を目安に湿気を飛ばし、完全に乾燥させます。
仕上げ
汗をかいた箇所がしっかり乾いているか確認してから畳みます。
特に襟や脇の部分は汗が溜まりやすいので、念入りにチェックしてください。
3. 汗抜き・丸洗いを活用する
夏の着物は見た目に汚れていないようでも、汗が繊維に染み込みやすいもの。汗抜きや丸洗いなどの専門クリーニングを上手に活用し、清潔を保ちましょう。
汗抜き加工
目に見えない汗や皮脂汚れを落とし、黄ばみ・変色・においを防ぎます。
特に絹素材の着物は汗抜きが効果的です。
丸洗い(ドライクリーニング)
着物全体の汚れやほこりを落とす方法。
年に一度程度、または着用頻度が多い場合はこまめに行うと安心です。
注意
家庭での洗濯は生地を傷める原因になるため避け、専門業者に依頼することが大切です。
4.保管は湿気と虫に注意
夏用の薄手の着物は湿気に弱く、虫食いやカビの被害にあいやすいのが特徴です。陰干しやクリーニング後は、保管方法を整えることが大切です。
保管のコツ
必ず完全に乾かしてから畳む
少しでも湿気が残っているとカビが生えやすくなります。
たとう紙の交換
半年〜1年を目安に新しいたとう紙に交換しましょう。古い紙は湿気を含みやすく、黄ばみの原因になります。
防虫剤の置き方
着物に直接触れないよう、収納箱の隅や上部に置くのが基本です。
収納場所の選び方
桐のタンスや桐箱は調湿性に優れ、着物の保管に最適です。
定期的な虫干し
長期保管中も年に一度は陰干しして空気を入れ替えましょう。
5.まとめ
夏の着物は見た目にも涼しげで季節感を演出できる魅力的な装いですが、その分汗や湿気によるトラブルが多くなりがちです。着用後の早めの陰干し、汗抜きや丸洗い、そして適切な保管環境を整えることが、大切な着物を長持ちさせる秘訣です。
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