「ダイヤモンドの良し悪しはどうやって決まるの?」
「ダイヤモンドの4Cって何?」
「鑑定書に書いてある言葉の意味がわからない」
このように、ダイヤモンドの品質や評価について、さまざまな疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、ダイヤモンドの価値を決める際に重視される4Cという評価基準について解説します。また、ダイヤモンドを買取に出す場合に役立つ、査定時に気をつけたいポイントも紹介します。
この記事を読むと、ダイヤモンドのランクを決める要素や高評価のダイヤモンドを表す言葉の意味を知ることができるため、鑑定書の見方が分かるようになるでしょう。
ダイヤモンドの購入を予定している人や売却を検討している人は、ぜひ確認してみてください。
ダイヤモンドのランクを決める4Cとは?
4Cは、米国宝石学会(GIA)によって定められた、世界中で用いられているダイヤモンドの品質評価基準です。重さや透明度など4つの要素で評価されることから、それぞれの英語の頭文字をとって4Cと呼ばれています。
4Cとはそれぞれどのようなものなのか、以下に詳しくみていきましょう。
カラット(Carat)
カラットはダイヤモンドの重量の単位のことで、「ct」と表記します。
1ct=0.2gと定義されており、カラット数が大きいほどダイヤモンドの価値が上がります。これは、ダイヤモンド原石は1ct未満の小粒のものが大半なことから、粒のサイズが大きいものは希少価値が高くなるためです。
大粒のダイヤモンドになればなるほど、価格も高額になると考えてよいでしょう。
カラー(Color)
白色系ダイヤモンドのカラーは無色透明に近いものほど評価が高くなり、カラーレスの最高評価をDとして、黄色味を帯びるにしたがってEからZまで段階的にカラーグレードが設けられています。
これらの色の違いは非常に微妙なため、1グレードの差を肉眼で見分けることは難しいでしょう。
なお、白色系ダイヤモンドでもZ評価以下のものや、ファンシーカラーダイヤモンドと呼ばれるピンクやブルーなどさまざまな色調のものに関しては、別の評価方法が適用されます。
クラリティ(Clarity)
クラリティはダイヤモンドの透明度を指し、ルーペで10倍に拡大したときに見えるインクルージョン(内包物)やプレミッシュ(傷)の程度で判断されるものです。1953年に、米国宝石学会(GIA)が透明度の等級として定めました。
クラリティの評価は以下の6つのカテゴリーと、そこから細分化された11段階の等級で決められます。通常、SIグレード以上のダイヤモンドは、その輝きに顕著な影響を与えることは少ないとされています。詳しく解説いたします。
・FL(Flawless):インクルージョンやプレミッシュが見つからない状態
・IF(Internally Flawless):インクルージョンはなく若干のプレミッシュが表面にある状態
・VVS(Very Very Slightly Included):10倍拡大してもインクルージョンの発見が困難な状態で、程度の高い順からVVS1およびVVS2の2段階の等級がある
・VS(Very Slightly Included):10倍拡大でインクルージョンの発見がやや困難な状態で、程度の高い順からVS1およびVS2の2段階の等級がある
・SI(Slightly Included):10倍拡大でインクルージョンの発見は容易だが、肉眼では困難な状態で、程度の高い順からSI1およびSI2の2段階の等級がある
・I(Included):肉眼でインクルージョンやプレミッシュが発見できる状態で、程度の高い順からI1およびI2、I3の3段階の等級がある
なお、フローレスと呼ばれるFLやIFといったトップグレードのダイヤモンドは非常に希少なため、市場に出回ることはほとんどないでしょう。
出典:ダイヤモンドのクラリティ(透明度)|米国宝石学会(GIA)
カット(Cut)
ダイヤモンドの魅力といえば、美しい輝きをイメージする人も多いのではないでしょうか。ダイヤモンドはカットによって輝きに影響が出るため、カットのランクはダイヤモンドの価値をはかるうえで特に重視される要素です。
カットはダイヤモンドの形や仕上げ(プロポーション)などが評価され、鑑定機関が定めた評価基準に近いものほどグレートが高いと判断されます。
ダイヤモンドの代表的なカットのひとつが、58面にカットされた「ラウンドブリリアントカット」です。
この「ラウンドブリリアントカット」はダイヤモンドを最も輝かせる理想のカットとされ、評価の高い順に「Excellent」「Very Good」「Good」「Fair」「Poor」の5つのランクに分けられます。
ランクの高いダイヤモンドを示す言葉の意味
4Cの中で唯一、人為的な要素を評価するのがカットです。
近年、より進歩したカット技術が施されたハイグレードなダイヤモンドが増えており、「Excellent」を超える評価を表す言葉も生まれました。
ここからは、ランクの高いダイヤモンドに使われる言葉を2つ紹介します。
トリプルエクセレント(3EX)
ダイヤモンドのカットにおいて、最上位の評価となるのがトリプルエクセレントです。
通常、カットの評価は「プロポーション」「シンメトリー」「ポリッシュ」という3項目についての評価を総合し、前述した5段階の評価でランクが決められます。
そのうちの最高ランクである「Excellent」をさらに細分化し、3項目すべてにおいて「Excellent」評価を獲得しているものがトリプルエクセレントと呼ばれるダイヤモンドです。
プロポーション(Proportion)
プロポーションはダイヤモンドの形のバランスのことです。
理想のプロポーションのダイヤモンドは、上部から入った光が内部で反射してそのまま上部へ返すため、美しい輝きを放ちます。
一方、パビリオンと呼ばれるダイヤモンドの下の部分が浅すぎたり深すぎたりすると、光をうまく反射できません。パビリオンのバランスが悪いものは輝きが弱く、プロポーション評価が低くなってしまいます。
シンメトリー(Symmetry)
シンメトリーはダイヤモンドの対称性のことです。シンメトリーは光の屈折や反射に影響するため、対称性がよいダイヤモンドほどランクが高くなります。
シンメトリーの評価は上から見たときの形やカット面の歪み、角度などで判断されます。左右対称になっているダイヤモンドは光がうまく分解されるため、ディスパージョンという虹色に輝く現象が起こりやすくなるでしょう。
ポリッシュ(Polish)
ポリッシュはダイヤモンド表面の研磨の仕上がり具合のことです。研摩はダイヤモンドの輝きを左右するため、研磨する際に付く特有の線や研磨痕が少ないものほどよいとされています。
平らに研磨されたダイヤモンドには、シンチレーションと呼ばれる星のきらめきのような強い光の反射が見られます。たとえプロポーションがよいダイヤモンドであっても、研磨状態が悪ければその輝きは損なわれてしまうでしょう。
ハート&キューピッド(H&C)
ハート&キューピッドは、精度の高いラウンドブリリアントカットのダイヤモンドに見られる特有の現象です。
特殊な照明機材を使ってのぞくと、パビリオン側から見た際にハートのようなパターンが8つ、そしてクラウン側から見るとアロー(矢)のパターンが8本観察できます。
この特徴が天使の矢がハートを射る様をイメージさせることから、ハート&キューピッドのダイヤモンドは結婚指輪や婚約指輪として特に人気です。
ハート&キューピッドはカットの評価が「Excellent」でないダイヤモンドでも観察できますが、プロポーションやシンメトリーのバランスが乱れると、どちらか一方しか見られない場合があります。
なお、カットグレードが最上位のトリプルエクセレント評価で、かつハート&キューピッドのパターンを持っているものが「3EX H&C」と呼ばれるダイヤモンドです。
ランクの高いダイヤモンドを売るときの注意点とは?
ダイヤモンドの価値は主に4Cなどの評価によって決まりますが、ダイヤモンドを買取に出す場合は、事前のちょっとした準備が査定金額に影響することもあります。
ここからは、ランクの高いダイヤモンドを売却するときに気をつけたいポイントを3つ紹介します。お手元のダイヤモンドを少しでも高く売りたいという人は、査定前にぜひおさえておきましょう。
鑑定書を用意する
ダイヤモンドの買取査定では、グレーディングレポートとも呼ばれる鑑定書の有無によって買取金額が変わってくる場合があります。
鑑定書があることでダイヤモンドの品質を証明しやすくなるため、鑑定書がついている場合にはダイヤモンドとセットで査定に出すようにしましょう。
鑑定書がなくても買取自体はしてもらえることが多いですが、鑑定書があれば相場よりも低い価格で買い取られてしまうといった事態を防ぎやすくなります。
また、付属品が揃っていると買取金額が上がる可能性もあるため、購入したときについていた保証書や入れ物などもあれば一緒に出すとよいでしょう。
複数の業者で相見積もりをとる
ダイヤモンドの買取価格は、買取業者によって大きく異なることがあります。これは、業者ごとに査定基準が違う場合があるためです。
ダイヤモンドを売却する際には、複数の業者で相見積もりをとって査定結果を比較し、最も高い買取価格を提示する業者を選ぶようにするとよいでしょう。
お手入れをしておく
宝石類の査定では、保存状態や見た目の美しさが買取価格に影響することがあるため、事前にセルフクリーニングしてから査定に出すのがおすすめです。
ダイヤモンドジュエリーは使用するうちに皮脂汚れなどがついて、くすんでしまうことがあります。ダイヤモンドの美しさを保つためには、日頃から身につけた後は汚れを拭き取ることを習慣にしておくとよいでしょう。
非常に硬い素材として知られるダイヤモンドですが、お手入れには柔らかい布を使い、ジュエリーに余計な傷がつかないように配慮することが大切です。
ダイヤモンドのランクによる違いを知って売買に役立てよう
ここまで、ダイヤモンドの価値を示す評価基準や売却時の注意点について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
4Cの意味やランクによる品質の違いを知ることは、そのダイヤモンドの価格が妥当かどうかを把握するのに役立ちます。鑑定書の内容を理解して、高品質のダイヤモンドを適正価格で売買できるようになりましょう。
リングやネックレス、ピアスなどダイヤモンドアクセサリーの売却をお考えの際は、取り扱い実績の多いグッドディールを活用してみてはいかがでしょうか。
中古市場ではここ数年でジュエリーや宝石の需要が多くなっており、買取価格の相場も高めに推移していることから、売却を検討している人には絶好の機会といえます。
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