遺品整理をしていると、床の間や押入れ、納戸から思いがけず古い掛軸や茶道具、仏像、絵画といった美術品・骨董品が出てくることがあります。見慣れない物や作者が分からない品を前に、「これって価値があるの?」「どう扱えばよいかわからない」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。
美術品や骨董品は保存状態や来歴、作者の有無によって大きく価値が変わるもの。この記事では遺品整理で見つかった骨董品を安全に、かつ損をせずに扱うためのポイントをわかりやすく解説します。
1. 遺品整理で見つかりやすい骨董・美術品の例
遺品整理では、ふだん目にしない収納場所から様々な骨董品・美術品が見つかることがあります。以下は特に見つかる可能性が高く、査定や売却が検討されやすい代表例です。
掛軸・書画
仏間や床の間に飾られていたことが多く、絵画や書道作品など幅広いジャンルがあります。古い漢詩や禅語が書かれたもの、仏教絵画なども。
茶道具
茶碗や茶釜、香合、棗、水指など。趣味として長年集めていた方も多く、複数点まとまって出てくることもあります。
仏像・仏具
家の中に安置されていた木彫りや金属製の仏像、香炉、燭台など。宗教的な背景を持つものは、文化財としての価値も。
絵画・日本画・洋画
額縁に入った作品やスケッチ、版画など。サイン入りのものや、画廊から購入された作品などは特にチェックすべきです。
陶磁器・漆器
中国陶磁器や明治期の壺、飾皿、棗など。骨董としての人気が高く、海外でも評価されるジャンルです。
2骨董品の価値が決まる要素とは?
骨董品や美術品の価値は見た目だけでは判断が難しく、以下のような複合的な要素で決まります。
作家・窯元・来歴:有名作家や伝統的な窯元の作品は評価が高く、共箱に署名や印がある場合は真贋の証明として有効です。由緒や来歴が記された資料(購入記録、由来書)もプラス材料になります。
保存状態
ヒビや欠け、シミ、カビなどが少ないほど評価が高くなります。ただし、日本画や古美術では経年変化も含めて風格と見なされることもあり、単純な劣化とは違う目線で見られることも。
希少性・時代背景
現存数が少ない、あるいは歴史的に重要な時期に作られた品は高く評価されます。特に江戸時代〜明治初期のものや戦前の工芸品は注目です。
宗教的・文化的意味合い
仏像や書画、宗教具などは、文化財的観点や宗派との関連性でも評価されることがあります。宗教性が高いものは、美術品としてだけでなく精神的な価値を見込まれることも。
3. 遺品整理での取り扱いで注意すべきこと
遺品整理中に骨董品を発見した場合、取り扱いには十分な注意が必要です。
無理に開封・分解しない
巻かれた掛軸や封のされた共箱は、無理に開けると傷みや破損の原因になります。専門知識のない状態での取り扱いは避け、状態のまま査定に出すのが安全です。
掃除は控えめに
特に古い仏像や絵画などは、表面の風合いも含めて評価されます。ホコリを払う程度の簡易な掃除にとどめ、決して洗剤や研磨剤などは使わないようにしましょう。
必ず写真に残す
搬出や査定前に、全体の外観・細部・落款(印)などを写真に収めておくと、後日の確認やオンライン査定にも活用できます。
家族間で相談する
骨董品は、見た目以上に想い出や感情がこもっている場合があります。売却や処分の前に、必ず家族と共有しておくことがトラブル防止につながります。
4.売却を検討する際のポイント
骨董品の売却はタイミングや査定先によって大きく結果が変わります。以下のポイントを押さえておきましょう。
専門の買取業者に依頼する
美術品や骨董品は専門知識のある査定士でなければ正しい価値を見極めるのが困難です。骨董ジャンルに強い業者かどうか、事前に実績や口コミをチェックしましょう。
掃除付属品をそろえて出す控えめに
共箱、布、由来書、購入証明、作品の解説書などがある場合は必ず一緒に提出しましょう。査定の信頼性を高める材料になります。
作家不明でも査定依頼OK
署名がない、誰の作品かわからないという理由だけで諦める必要はありません。専門家が見ることで価値が判明するケースも少なくありません。
まとめて査定する
バラバラに出すよりも、似たジャンルや同じ出どころの品をまとめて査定に出すことで、全体の評価が上がることもあります。
5.まとめ
遺品整理で見つかる骨董品・美術品は、価値を知らずに処分されてしまうことも多く、非常にもったいないケースがあります。作者や真贋が不明であっても、保存状態や内容次第で高額査定がつく可能性もあります。
まずは専門業者に相談し、査定を受けることが、後悔のない遺品整理への第一歩です。処分前にひと手間かけるだけで、大切な遺品が新たな価値を持つこともあります。
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